下岡蓮杖さんと写真館
営業写真の開祖と言われる下岡蓮杖さんは、下田市出身です。
幕末の開国時に苦労して写真技術を学び、アイデアを出しながら写真館を繁盛させました。
横浜市内で外国人に着物を着せて写真撮影をしていたそうです。
先日の休みに下田へ行き、下田出身の友人に案内してもらいながら町の中を歩いてみました。
立ち寄った下田公園内にこの記念碑がありました。
学校の文集などから下岡蓮杖さんに関するこどもの詩も一緒に紹介してありました。
写真を収めたアルバムのページをめくりながら、
懐かしい気持ちで写真を見ている様子が伝わってきて、ジーンときました。
「アルバムを広げた
12年前の私がいた
あのころはかわいい顔をしていた
学校も勉強も宿題もなにもない
ちょっぴりもどりたなー
お父さんの写真も白黒ではってある
まるまる太っている
私に似ているかな
日本ではじめて写真を考えた人
すばらしい人だなー
母が言った
下岡蓮杖という人だよ
アルバムにいる私
写真はひとつの物語をつくってくれる
すてきだなあ
すばらしいなあ
私の思い出を大切にしよう
下田生まれの連城さんは
えらい人なんだなー」
200年の間に写真は大きく変わりました。
でも一枚の写真に対する気持ちのありかたは、永久普遍的なもののような気がします。
写真をプリントしたり、アルバムに貼ったりすることをしなくなってしまった今、
プリントされて手元にあるのは、唯一、写真館で撮影した写真だけ、
というご家庭も多いのではないでしょうか。
この子どもの詩にある「写真はひとつの物語をつくってくれる」という言葉が
まさに私たちの仕事を継続させていく指標となる言葉の一つだと感じました。